2023-04-11女性委員会
私は、2022年度まで特別準会員として女性委員会で活動していた藤原綾乃と申します。
この春大学を卒業し、4月から新社会人として働き始めています。
建築関係者として社会の中で働く、建築士会の皆さんからどう感じるか分かりませんが、
以下の文章は、これから社会に出る私のもがきだと思ってください。
私には、建築を志した明確なきっかけがあります。
それは小学3年生の頃、施工管理の父が監督した図書館を見た時でした。
図書館には、見知らぬ人が本を手に取っていて、それを見た時に直感的に「すごいな」と幼いながらに思いました。
その情景は、15年程経った今でも鮮明に覚えています。
今思えば、身近な人が作ったものが見知らぬ誰かの生活の一部となっていることに衝撃を受けたのかもしれません。
これが私にとって「建築」の道へ導くきっかけとなり、将来の夢となりました。
新城図書館
その夢は消えることなく、高校では工業高校建築科を選択しました。
この頃は建築の授業がとにかく楽しかったです。
将来の夢へ近づいていることを肌で感じていたからでしょう。
そんな私に2回目の転機が起こります。
それは、修学旅行で行った地中美術館のクロード・モネ室を体感したときでした。
この時も直感的に「すごいな」と思いました。
これまでの基礎知識や基礎技術でどこか形式ばったものと考えていた建築への考え方が、
建築は空間であることを気付かされたからでしょう。
この頃から私は設計者を目指し始めました。
そしてより多くの知識を求め、大学に進学、ここでも建築学科を選びました。
大学生活では、コロナの行動制限から建築を見に行くことができず
インターネットや参考書から学ぶことがほとんどでした。
それでも高校の時以上に国内外の建築を知り、設計意図を知り、
そこからの街の関係性を知ることができたことは私自身、重要な時間でもありました。
私はこの春、主にマンションの設計を行う職に就きました。
幼い頃からの夢を叶える場所に来ました。
これまで思い描いていた、建築への思いと社会の中で成立する建築への難しさなど、
自分が何を思うのかまだまだ分かりません。
学生時代とのギャップを感じ、夢に対して不安を持つかもしれないし、
夢を叶えていくことに楽しさを感じるかもしれません。
しかし、9歳の自分と17歳の自分が感じた衝撃は自分の中にある無意識的な本心で素直な感情だと思っています。
この感情を今の自分が否定せず、社会に出て確かめることがこれからの自分がやるべきことなのだと思っています。
そして少しずつでももがきながらでも前に進み、自分の夢がどういうものだったのか確認していきたいです。
これから、同じ建築関係者の社会に出る一人として、皆さんの背中に追い付けるように頑張ります。
一人の社会人として皆さんと同じ目線でお話しできること楽しみにしています。
その時はよろしくお願いします。