2023-10-22まちづくり委員会
開催日時:2023年10月20日(金)17時~
開催場所:阿部建設株式会社 黒川ヒュッテ
講 師:株式会社東横インホテル企画開発 取締役 加藤敏子氏
◆講演内容
平成18年、東横インが当時のハートビル法に違反する改造を行なったことは全国に知れ渡るニュースとなりました。
法令に無知であったと自己反省の末、社内に「ユニバーサルデザイン対応化委員会」が発足。
現在では宿泊客から高評価を得ている「ハートフルルーム」(バリアフリー対応客室)を提供されています。
講演会では「ハートフルルーム」が出来るまでのプロセスと、障がいのある方を迎え入れる際の接客を中心にお話いただきました。
どこの東横インを利用しても同じ間取りなのは、あらかじめ客室ユニット寸法を決めているから。
この客室ユニット(シングル客室)を2つ合わせたボリュームで「ハートフルルーム」は出来ています。
客室ベッドの高さを車椅子の座面と同じ高さにし、周りに介助スペースを設けること。
浴室では介助がしやすいように取外しのできる移乗台を設けていること。
洗面台は車椅子でのアクセスがしやすいよう特注の形状にしていることなど、様々な工夫が見られました。
さらに、同じ間取りは視覚障がいの方にとって、安心して宿泊できるメリットになっているようです。
どこの東横インに泊まっても、室内で迷う心配がないからです。
そして、自社グループで設計施工が出来る強みを活かし、常に客室の使い勝手で気になるところの改善に取り組まれていること。
中でも特注のユニットバスは浴槽の使い勝手と床下の配管に工夫が見られます。
接客についても配慮がなされています。
障がいのある方は何でも手伝いが必要だと決めつけず、手伝う必要があるかどうか伺ってからにすること。
たとえ動作に時間が掛かったとしても、自分の意思で行動したい方もおられるからです。
障がいのあるなしを区別せず、全ての宿泊客に対し同等に接する取り組みです。
「ハートフルルーム」は宿泊当日のお昼までは障がいのある方の電話予約のみに限られています。
障がいのある方にいつでも安心して宿泊していただけるようギリギリまで予約枠を確保し、
その後は空きがあれば誰でも宿泊予約ができるようです。
他にもホテルが立地する地域の住民を積極的に採用することで地元の雇用促進に寄与すること。
事前に朝食の有無を伺い、余分に用意しないことでフードロスを減らすよう努めていること。
ビジネス客だけではなく、旅行客のニーズに応えるために2名以上の宿泊室を増やしていくこと。
素晴らしい企業としての取り組みを知ることができました。
今度の出張や旅行の際には東横インに宿泊されてはいかがでしょうか。